小さな島が点在する伊万里湾。台風の時でもこの島たちが海からの風を防ぐため、波は1年を通じて穏やか。水揚げは小型ボートを使い、ひとカゴずつ手作業で丁寧に行われる。丹精込めて育てた安全・安心なクルマエビが育っている。12月から年明けまで贈答品やお節料理の需要のため、最も忙しい時期。「育てたクルマエビが高値で取引されるとやっぱりうれしい」と話す福森場長
潜水士が毎日潜り
清潔な環境を保ち続ける
順調にクルマエビが育ち、7月頃に20gを超える大きさになったら出荷が始まり、年明け1月頃まで続く。出荷できる大きさになったからといって油断はできない。クルマエビは夜行性で共喰いする生き物なので、夕方と夜間にエサを与える。養成池の海水は緑色に見えるが、これは珪藻(ケイソウ)という植物プランクトンでクルマエビ養殖には欠かせない。クルマエビは日中、砂の中で寝ている。そのため太陽光が砂地まで届くとストレスになり、病気などの一因になってしまう。もし、病気で死んだエビをそのままにしておくと、あっという間に養成池のエビすべてに病気が広がる。それを防ぐために、潜水士の資格を持つスタッフが毎日潜って池の中をチェックしている。
珪藻によって池底の視界は数10㎝のため、ほとんど手探り状態で死んだエビや病気のエビを除外していく。1つの養成池は25mプール3つ分ほどの大きさなので過酷な作業だ。
養殖場に隣接された加工場では、経験豊富な社員が品質、サイズの選別を行い、市場に出荷する活エビや冷凍用、人気商品の味噌漬けなどの加工品用に分けていく。冷凍用は、選別後に冷海水で仮死状態にして計量し、真空パックで冷凍する行程を短時間で行う。プロトン冷凍クルマエビはさらにキズなど厳重に確認するためプロの料理人からの評価も高い
こうして大切に育てられた健康的なエビは、水揚げされると加工場に運ばれる。ここでサイズを量り、生きたまま出荷される活エビと冷凍や加工用などに分けられる。
『伊万里クルマエビセンター』では、「プロトン凍結機」という次世代の急速冷凍技術を用いてクルマエビを冷凍している。これは電磁波と冷風などを組み合わせ、クルマエビの細胞膜を破壊せずに凍結する技術だ。そのため解凍してもドリップがほとんど出ず、クルマエビそのものの旨味を楽しめる。今回特別に活エビとプロトン冷凍のエビを食べ比べさせてもらったが、エビの旨味や甘味は後者の方が強く感じた。「活エビの方がおいしいという先入観がありましたが、プロトン冷凍エビのおいしさにビックリです」と驚いた様子。伊万里で養殖されたクルマエビを是非とも味わい、そのおいしさに驚いてほしい。
普段何気なく食べているクルマエビだが、こうした人たちの努力によって支えられている。直売所併設なので、足を運んでみては?
伊万里クルマエビセンター
住所:佐賀県伊万里市波多津町2420
電話:0955-25-1112
営業:直売所営業時間 8:00〜17:00
駐車場:あり
アクセス:西九州道南波多谷口インターから車で約13分
HP:https://takusui-group.com